2012年日語等級考試指導(dǎo):李下に冠を整さず

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戦國時(shí)代、周の烈王の六年、斉は威王が位にあって、即位してから九
    年になったが、國內(nèi)は一向に治まらず、國政は佞臣周破胡の専らにする
    ところとなっていた。破胡は賢才有能の士をそねみ、即墨(山東省)の大
    夫が賢明の士であったのに、これを誹謗し、阿大夫はでくの坊であった
    のに、かえってこれをほめそやすのであった。威王の後宮には虞姫とい
    う女がいたが、破胡のやり口を見かねて、虞姫は王に訴えた。
    「破胡は腹黒い人です。
    登用なさってはいけません。
    斉には北郭先生という
    賢明で徳行高いお方がいらっしゃるのですから、
    こういうお方をお用いになった方がよろしゅうございます?!?BR>    ところが、これが破胡の耳に入ってしまった。破胡は虞姫を目の敵と
    して、何とかこれを陥れようとして、虞姫と北郭先生とは怪しいといい
    出した。王は九層の臺(tái)に虞姫を閉じこめて、役人に追求させた。破胡は
    手を廻して係りの役人を買収していたので、その役人は、あることない
    ことをでっちあげて、虞姫を罪におとそうとした。しかし、王はその調(diào)
    べ方がどうも腑に落ちないので、虞姫を呼びだして自分から直々事を質(zhì)
    してみた。
    「私は十余年の間、
    一心に王のおんために盡くしてまいったつもりですが、
    いまは邪な者どもに陥れられてしまいました。
    私の潔白なことはハッキリ致しておりますが、
    もし私に罪があると致しますと、
    それは『瓜田で履をはきかえず、李園を過ぎる時(shí)に冠を整さない』
    という、疑われることを避けなかったことと、
    九層の臺(tái)に閉じこめられましても
    誰一人申し開きをして下さる人がいなかったという、
    私の至らなさでございます。
    たとえ死を賜わりましょうとも、
    私はこのうえ申し開きを致そうとは思いません。
    けれども、たった一つ、王にお聞き願(yuàn)いたいと存じます。
    いま群臣がみな悪いことを致しておりますが、
    中でも破胡が一番ひどうございます。
    王は國政を破胡にお任せになっていらっしゃいますが、
    これではお國の將來はまったく危ういということでございます?!?BR>    虞姫が真心を込めてこう言うのを聞いた威王は、俄かに夢のさめる思
    いがした。そこで、即墨の大夫を萬戸を持って封じ、佞臣の阿大夫と周
    破胡を烹殺し、內(nèi)政を整えたので斉は大いに治まった。  (「列女伝」)
    この話に出てくる「瓜田に履を納れず、李下に冠を整さず」という語
    は、瓜の実っている畑で履をはきかえると、いかにも瓜を盜ったように
    思われるし、李が実っている下を通るとき、手をあげて冠をなおそうと
    すれば、いかにも李を盜ったように思われるから、そういうような、人
    から疑われるようなことは避けるという意味である。
    「文選」の楽府に、「君子は未然に防ぎ、嫌疑の間に処らず、瓜田に
    履を納れず、李下に冠を整さず、嫂叔は親援せず、長幼は比肩せず、労
    謙其の柄を得、和光甚だ獨(dú)り難し(己の功に誇ってその能を輝かしては
    いけない)」云々と見える。